東山三条

東山三条あたりで、友人のMさんと合流した。そこでMさんのお友達を紹介された。見た感じ、とても仕事の出来そうな人物だった。彼(仮にA氏としておく)は自分の名を名乗りながら右手を差し出してきたので応じた。

力強い握手だ。

深くかかわるようになる相手は、どことなく、いつもなぜか握手が力強い、そう思った。

不意に、後ろから機関銃で狙われていることに気付いた。

敵と思わしき連中が追いかけてきたため、意味も解らないまま逃げた。

A氏がエレベータに導いたので、駆け込んだ。

Mさんがこちらに向かって逃げてくるのが見えたが、構わずに閉めた。

うしろからA氏が、「それで正解だ。」と言った気がした。

イラク派遣

 「イラクに行ってくれないか。」と突然偉い人から言われた。
 ドキドキしながらも、すんなりと請けてしまった。

 武官を二人つけてやるから文官として着任しろとのことだった。

 (記憶途切れ)

 暗い地下室のような場所で、父と兄と妹と僕の四人でテーブルを囲んで食事をしていた。母は留守番なのだろう。

 コンクリートの打ちっぱなしの壁で囲まれていて、テーブルのすぐ前にはエレベータがある。

 なぜかそのエレベータに気を取られて、スープをこぼしてしまい、妹の水色のドレスに滴がかかってしまう。

 おニューだったらしく、妹が怒って感極まって泣き出してしまう。

 エレベータのドアが開いて、その中にとてもきれいなエレベータガールが3人居た。

 そのうちの一人が、「何でここで食事をしているのか」と問うので、「イラクへ行くことになったのでその前に家族で食事をしている」というと、尊敬のまな ざしをこちらに向けた。すぐにエレベータの扉が閉まったがその瞬間、最後に3人がこちらに向けたのは明らかに軽蔑のまなざしだった。

 イラクは尾瀬のようなところで、しかもなぜか水芭蕉ではなく菖蒲が咲いていた。池塘にかかる木道をあるきながら、金美齢の指示を仰いだ。

 家に帰ると母が、複雑な表情で「お帰り」と言った。

部屋の所有権

今日はドラムのHさんが部屋に練習に来る予定になっていた。キッチンの中華鍋の中に作りっぱなしになっている麻婆豆腐を冷蔵庫に入れていなかったので、それが気になって仕方なかった。
どういうわけか、訪ねて来たのはHさんではなく、同期のY君だった。大急ぎで部屋を掃除しようとしたが、部屋の床がガムの屑だらけになっていて、靴下がくっついて非常に気持ち悪い。
いつの間にか、部屋の所有権が自分から見知らぬ夫婦のものに変更されていて、その所有権がチェンジした夫婦の風呂場で足の裏にくっついたガムの屑を取ろうと苦心していると、いつの間にか体中にガムの屑がついていた。
そこで、その夫婦に身体の洗浄を手伝ってもらうことになった。
夫婦の提案してきた洗浄の方法は、より(とても)巨大なガムの屑で、僕の体に付着したガムの屑を除去しようという酷いものであったが、僕はすでに居候と なっていたので、これを受け入れた。しかし、提案が破綻していたので、僕の体にはさらに巨大なガムの屑が付着してネトネトになっていた。
なんとかその家から脱出して、あてもなく歩いていると、薄汚れたジャージ上下を着たコジキの中年がぶつぶつ言いながら後ろから近寄ってきて、何やらどやし つけてきた。無視してスタスタと速度を速めて歩みを進めると、僕の前に回りこむために側の陸橋に上って走り始めた。同じころ、後ろから中学生くらいの少年 3人が、僕の右側から追い越して行った。その全員がこちらを振り返って、「バカだなこいつ、何も解ってないね。」というような表情で一瞥をくれた。
その3人のうちの一人が、「丸岡さん!」とそのコジキに向かって威勢よく呼びかけた。そのコジキははじめは黙っていたが、やがて少年が500円札を一枚ずつ差し出すと、それをどこかに仕舞い込んで、少年たちに一枚の印刷物を見せた。
その印刷物には、
・A君:8,500ポイント
・B君:7,200ポイント
・C君:6,000ポイント
と書かれていた。
少年たちが丸岡さんに500円と引き換えに貰っているモノに思いを馳せて私は、「どちらがバカか。」とつぶやいた。

逃走

 兄と二人で、M先輩に招かれてお宅にお邪魔する。

 一戸建てで広いお庭があり、その隣にも相当大きな屋敷が建っている。
 先輩宅の庭と、隣家の庭との間に境界線みたいなものは引かれていない。塀もない。

 M先輩の叔父様の息子さん(一人っ子)に不幸があり、そのお家が養子を欲しがっているというので、先輩のところの次男はどうなんですかと言うと、ウチには息子は一人しかいないと返された。
 なんだかややこしそうなので、その話はしないことにした。

 しばらく庭にいて、隣家の玄関のチャイムが鳴り、数分の後、銃声がした。見上げると、隣家の二階で、あるグループがその家人達を人質にとって何かをしていた。

 こちらにも銃を向けている。

一階にも人が何人かいて、大きな窓からその姿が見えていた。
ただし、彼らは自分達の頭上で今何が起こっているのかということには気付いていないようだった。

兄が駅の方に向かって走り出した。

僕は、一階の家人達のことが気にはなったが、やはり走って兄の後を追った。

10分くらい田舎道を走ると、何処かの駅の駅前に着いた。

兄は何かに感染したらしく、ゲーゲー吐いていた。

 とにかく少しでも遠くに逃げる必要があった(と夢の中では確信していた)ため、コンビニの店員に「次の列車は何分か?タクシー乗り場はないのか?」とせきたてるように尋ねたが、キョトンとしていたのですぐに諦めて店の外に出た。

 流しているタクシーを拾おうとして、着た方向に少し引き返して、必死で探していると、ちょうど一台、向かい側から来た。
 もうすで別の客が乗っているようだったが、路肩に停まったので、その客は降りるのであろうと想像できた。
 ニ、三歩近付いたところ、60歳位の、人相の悪い婆さんが、車の窓を開けて後部座席から発砲してきた。

 逃げるとタクシーごと追い掛けて来た為、踏切から線路に入って、真っ暗闇の中を三嶋に向かって走った。

単線のはずだが、何故か沢山の箇所が交差していて(しかも右の車輪と左の車輪が交差するというありえない構造になっている)、新品の黒い鋼のようにそこだけが薄く光っていた。

突然の来客

 仕事仲間のM氏が、突然役者の津川雅彦と二人でアパートを訪ねてきた。

 キッチンが相当散らかっていたので、寝室で片付くのを待ってもらうことにした。

 片付けが一通り終わって、寝室に呼びに行くと、二人で何気なく、枕元の『刑務所良品』を読んでいるのに気がついた。

 掛け布団の中にマニアックなエロ本を隠していることを思い出して、平静を装いながら「エロ本みたやろ?」と尋ねると、二人は「見てません。」と、私の顔から眼をそらすように、斜め45度くらい左上を見ながら、白々しく応えた。